
一度は詣られよ元善光寺、善光寺だけでは片参り。飯田市を調べていて出てきたこの言葉。
気になったので、満蒙開拓平和記念館の後、一緒に行った雪絵ちゃんにお願いして連れてきてもらった。


高台にあるこのお寺、街の向こうから傾きかけた陽の光が木々を照らし、なんとも清々しく美しい。

そして、目の前には、お寺の歴史の説明を受けているガイド研修生らしき団体さん、それに気づいた雪絵ちゃん、一緒に聞こうか?と促され、彼女達と一緒にお堂に上がりお寺の成り立ちについて聞かせてもらった。
このお寺は、今から約千四百年前 推古天皇十年(601年)に本多善光公(よしみつこう)によって建立され、名称も自分の名前をとって【ぜんこうじ】と名付けられた。
元善光寺と善光寺、いずれも如来のお告げに従って場所を移し、両寺とも火災で何度も焼失しては再建されてきたという。

そんなお寺の床に座り、見ることは叶わない古の時代に思いを馳せれば、建物に宿る重みを感じ、心は自然に静まり返る。
この有難い説明を聞いた後は、その心を持って、地下の胎内巡り(お戒壇巡り)へと向かい、狭い階段を降りていくと、徐々に辺りは暗くなり、どっちに曲がるのかもわからないまっ暗闇へと進んでいく。
遠くからは、かすかにお経が聞こえ、きっと1人なら足がすくんじゃう。
だけど、「あれ?」「んっ?」「ここか!!」「これだ!!」と軽やかな雪絵ちゃんの独り言が聞こえてくるから、なんとも心強く、「雪絵ちゃん、最高だな!」と、
近くに人がいる有り難さを感じながら、安心して通り抜けることができた。
そして、その後はお寺の奥にある宝物殿。部屋には、曼荼羅をはじめ、仏像仏画等八十点程が収蔵されていた。
また、その奥には平和殿。西国三十三番の札所の観音様が祀られていて、西国三十三観音霊場お砂踏み参拝ができる。
平和殿の中には、戦争で亡くなられた方を祀る千羽鶴も飾られていた。

この日は、満蒙開拓平和記念館から元善光寺。
時代をこえて長い旅をしてきたような気持ちを味わった1日。